2011年1月3日月曜日

仕事の線引き

去年の大晦日に産経新聞の第二社会面に載っていた

あなたのカレンダー大丈夫?「11月31日」「Feburuary」…間違い、回収続発

を読んだ。以下は抜粋引用。
 大量のミスが見つかったのは秦野市観光協会が1部500円で販売するPRカレンダー。February(2月)のつづりを「Feburuary」としたり、カレンダーに記載された市のスポーツイベントの予定が前年の日程になっていたり。冠婚葬祭で重視される六曜の「先負」が一部「先勝」になるミスも見つかった。
 ミスは「駅伝の開催日と名称が違う」という市側の指摘で判明。当初はシールを貼って対応することにしたが、その後も間違いが次々と発覚。観光協会は3千部を刷り直すよう方針転換したが、刷り上がりは「年明けになる」という。
 なぜ間違いが相次いだのか。秦野市観光課は「締め切りに追われ、確認作業が不十分だった」。日付や六曜を担当した印刷会社は「ネットの情報から引用した。元データが誤っていたのか…」という。
 メーカー32社が加盟する「全国カレンダー出版協同組合連合会」によると、カレンダーの製作作業は前々年から始め、「6~7人で別々に校閲する」(都内の大手業者)など、入念なチェックを重ね完成させる。
 しかし、最近は簡単な暦作成ソフトが出回り「校正を知らずに参入する業者も多く、見栄えだけ良い作品が売り出される」(同)傾向があるという

これっ、画像を見れば分かるように1月から12月までFeburuaryになってるんです。
誰も気付かなかった!なんてことありえないんです。誰かが気付いていたんです。でもそのまま納品。

印刷会社のやり取りが目に浮かびます。
気付いた人が上司に報告→「お客さんのデータ通りに!」→で、そのまま納品。

この「データ通りに!」のやり取りで、むか~しいた印刷会社で師匠と喧嘩したことがあります。

顧客から入稿するデータはそのままでは出力できないものばかり。
なんせ素人が作るのですから(^^;A
かといっていちいち修正していたのでは採算割れ。
顧客に連絡し許可を得て(もしくはデータを返して)修正するのですが納期日程というものがあります。
データ返却して修正したら納期に間に合わない(もしくはこちらの意図通りに修正してくれるか不安)な場合は印刷会社で修正することが間々あります。

で、この作業にお金がいただけるのかというとほとんどがサービスなんです。
だからデータを直すかどうかは上司か担当営業の判断に委ねられます。

が、昨今の風潮として「お客さんのデータ通りに!」がまかり通っています。コスト削減が進んだ結果、校正まで面倒を見ていたのでは採算が合わなくなっているからです。ですから露骨な誤字脱字に目をつむりデータ通りに出力されているかが出力担当者の仕事になってくるわけです。これってすごいストレスなんです。

今回のケースは日付と六曜を印刷会社が担当したそうなのですが、顧客はマトモに校正などしないが定説の世界で「顧客がOKを出したのだから」という論理で押し通すのは無理があると思います。

何よりも「仕事に対する誇り」はどこに行った~!と叫びたいのですが、値段の叩き合いで印刷業界が疲弊している昨今、同情を禁じえません。

刷り直しの費用は観光協会が負担するのでしょうか? それとも印刷会社? 

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